祈りの丘絵本美術館ブログINORI-NO-OKA Picture Book Museum BLOG

❅黒井健さんの絵本❅

 

先日とある絵本塾に飛び入り参加してきました✍

 

生徒はそれぞれ、絵本作家を目指しているデザイナーさんや主婦の方、

教育現場に活かそうと来ている保育士さんなどなど十人十色。

 

授業の講師は絵本作家の黒井健さんでした。

 

小さいころに読んだ絵本が思い出され、

なんだか目の前にその作者の黒井健さんがいることや

自分の絵本を講評してもらっていることが現実ではないような。。

 

緊張もしましたが、先生のお人柄のおかげで

楽しく、時に熱く!じっくりお話することができました。

 

ごんぎつね / 新美南吉作 / 黒井健絵 / 偕成社

このごんぎつねは、哀しい結末で終わるお話に衝撃をうけた記憶があります。

みなさんも教科書などで読んだことがあるのではないでしょうか?

 

黒井健さん自身この悲劇的なお話にどんな絵をあてるか悩み、

実際に新美南吉さんの故郷を訪ね、試行錯誤して描いたと伺いました。

 

 

 

手ぶくろを買いに / 新美南吉作 / 黒井健絵 / 偕成社

 

ごんぎつねが売れなかったら絵本を描くのはやめようと思っていた、という黒井健さん。

結果、ごんぎつねは今も長く愛される絵本になりましたよね📚

 

その後にかかれた 手ぶくろを買いに は、まだ知らないことだらけの子ぎつねとその子ぎつねを優しく見守るお母さんぎつねが印象的です。

 

今回の絵本塾でたくさん聞いたお話の中で、

『絵本に出てくる登場人物を、かわいいではなく 愛おしい と思えるように描いている。』というお言葉がありました。

作者自身がそう思って描けば、読み手の大人にも子どもにもちゃんと伝わる、と。

 

確かに黒井健さんの描く動物たちは、ぱっとみた瞬間の可愛さというより

ずっと心に残る愛らしさを持っているなあと思いました。

 

愛おしくなるような登場人物に注目したり、まるでCGを使ったかのような、オイルパステルを使用した美しい風景に着目したりと、読むたびに何度も感動できる黒井健さんの絵本。

真摯に絵と向き合う作者の熱が伝わってきます!

 

小さい頃は哀しい暗い本としか思えていなかったので、改めて繰り返し読むことって大切だなあと思うMでした❅