祈りの丘絵本美術館ブログINORI-NO-OKA Picture Book Museum BLOG

僕は、そして僕たちはどう生きるか

 

 

こんにちは。

久しぶりに絵本ではなく小説を読みました📖

 

僕は、そして僕たちはどう生きるか / 梨木香歩 / 理論社

 

以前このブログでもご紹介した「西の魔女が死んだ」や、

リリー・フランキーさん主演で映画化もされた「ぐるりのこと」などを書いている梨木香歩さんの小説です。

作品を読む度に影響を与えてくれる、好きな作家さんの一人です🍀

今回も作中にいくつも はっ とする言葉がたくさんありました✎

 

こちらの本は『ぶっくくらぶ』の14歳~15歳大きいジュニアコース🐬にも入っています。

 

 

 

お話の軸は主人公コペル(日本人の中学生の男の子。コペルはコペルニクスからとったあだ名。)とその周りの、年令も性別も経験も育った環境も国籍もバラバラな人達。

コペルくんは、生まれ育った環境のせいで(マイナスな意味ではありません)ちょっと大人びた言葉を使う少年です。

 

装丁をみた感じ、学校が舞台かな?と思いましたがそうではありませんでした。

表紙とタイトルをみただけだと

まるで想像がつかないような展開に物語は進んでいきます。

非現実。非日常。

そんな出来事がたくさん起こりますが、

でもこれはコペルくんの現実であり日常であって…

 

ノンフィクションのはずが、気付いたらコペルくんのそばに自分がいるような

不思議な感覚になります。

梨木香歩さんの不思議な力です!

 

 

戦争、学校、教育の在り方、人間関係、家庭環境、

私たちを取り巻く多くの事柄が、見方や立場、考え方一つで

表裏一体、怖い存在にもなりえるんだ、という事を改めて考えさせられます。

 

 

日頃感じてもあえて言葉にはしないような些細なことや

大きなテーマすぎてついスルーしてしまうことに

やさしく丁寧に気付かせて、考えさせてくれました。

 

ありがとうコペルくん!とその周りの人たち!

 

 

 

さてタイトルの『僕は、そして僕たちはどう生きるか』ですが

最後の最後でコペルくんは大切な答えを見つけて物語は終わります。

 

 

でも今度は物語の思惑通り(?)、

読み終わったこちらがふわふわと、考えるのでした~。

秋の夜長におすすめです。

スタッフMでした📖